「最低の目標が賞金王に出場すること」だけに今年のSG初戦の総理杯(児島)で優勝したのは大きい。以降のSGは余裕をもって「優勝することを第一に走った」と言う。結果、オーシャンカップV、グラチャンとMB記念で優勝戦2着。賞金ランクのトップを独走したまま賞金王を迎えることになった。「今年は住之江だからね。初日は1号艇だし、枠抽選で不運が続かない限り優勝まで突っ走りますよ」と自信満々のV宣言も飛び出した。
昨年は賞金王史上初の初出場初V(第1回は除く)の快挙。「レースもペラも自信が持てないまま臨んだ」という結果が優勝なのだから驚きだ。そんな吉川が「今年はペラの手応え十分でレースのリズムも最高ですね」と言う。この秋は減音型のレース場が続いた中、標準型モーターの浜名湖・競艇王CCで優勝戦2着。G1を3カ月走れなかったハンディなど全く感じさせなかった。前評判は松井の対抗一番手。いや、筆頭候補に推す声さえある!
6月・多摩川周年の優勝戦でフライング。このペナルティーで今年はG1を走れなくなってしまった。賞金王出場を考えると、これはあまりにも高価な代償になる。湯川自身も「SGで優勝するしかない」と覚悟したという。すると、6月末のグランドチャンピオン決定戦(芦屋)でF持ちながらも優勝! だが、好事魔多しとはよく言ったもので、10月にまた多摩川・一般戦でF。ただ、前述したようにグラチャンもF持ちでV。今回は地元戦、好勝負は十分に可能だ。
地元・福岡での開催で昨年は大いに期待されたが、見せ場なく終わってしまった。今回は最近得意になった住之江での開催。アウェーな立場の今回は、瓜生は気楽に走れる立場になる。競艇王CC(浜名湖)前の若松周年(ナイター)で優勝して減音型モーターの調整に自信を深めたことも好材料。賞金王は4年連続5回目の出場となる。優出は過去2回。混戦になればなるほど優出チャンスは膨らむ。いや、今年こそ黄金のヘルメットをゲットだ。
昨年7月のオーシャンカップ(桐生)準優1号艇でフライング。勝てば優勝戦も1号艇。「いいイメージ(優勝戦1号艇でV)しか持ってなかった」と言うように、肩に力が入りすぎてのFだった。そのペナルティーが1年間のSG除外。「ダービーで復帰することを目標にした」そのダービーで見事V。1年3カ月ぶりのSG舞台で優勝したのだから、結果的に桐生のFはムダではなかった。今回賞金王は初出場だが、丸岡には無限の可能性がある。
総理杯の後は賞金ランク37位だったが、笹川賞後に20位以内に入ると16位~19位に定着。土壇場の競艇王CC(浜名湖)優勝戦4着で12位に滑り込んだ。「追加あっせんを断らずに走ってきたことが最後に約46万円差での賞金王出場につながったんだと思います」と初出場が決まった時には声を詰まらせたという。住之江は5月・一般タイトルで圧勝V劇を演じて以来の出場。一昨年には賞金王シリーズ戦Vもある。不安なく入れるのは、いいことだ。